大阪府警ラグビー部(2)関西社会人リーグの強豪に

大阪府警ラグビー(2)関西社会人リーグの強豪に
 
1958年度(昭和33年度)シーズンに始まった第1回関西社会人Aリーグでは、1位近鉄・2位京都市役所以外の3チーム(大阪府警川崎重工・大阪鉄道管理局)が三つ巴で同率3位、第11回全国大会では関西リーグで勝った川崎重工に2回戦で破れベスト8。鮮烈に日本ラグビー界にデビューした前年のシーズンからは少し後退しました。
イメージ 2
(1958年度(昭和33年度)大阪府警メンバー)
 
しかし1959年度(昭和34年度)の関西社会人Aリーグでは、2連覇で優勝した近鉄に次いで3勝1分1敗で単独2位(準優勝)に食い込む好成績を収めました。その近鉄戦とて、開始から前半27分の先制トライを許すまで精力的な動きで強豪近鉄の動きを封じました。後半はCTB杉野を負傷で欠き不利の中、5分に友岡のトライ(ゴール成功)で逆転しました。結局、14人の不利が響いてその後2トライを許し、5-11で敗れましたが、この年は京都市役所を16-3(トライ数3-1)で破るなど健闘。更に第12回全国大会でも準決勝まで進出、近鉄には敗れましたが再びベスト4進出と、社会人ラグビー界の強豪のひとつとして名を馳せました。
 
1959(S34)-11-29関西社会人リーグ ●5-11(0-3,5-8)近鉄(花園)
府警メンバー:FW金谷、船盛、藤森、岩橋、奥田、南田、善積、宮内、HB斉藤、大門、TB平野、杉野、友岡、畠中、FB有馬
 
更に、1960年度(昭和35年度)の関西社会人Aリーグでも単独2位(準優勝)、その後、1961年度(昭和36年度)は京都市役所・大阪クラブと同率ながら2位(準優勝) 1962年度(昭和37年度)は大阪クラブと同率ながら2位(準優勝)となります。
イメージ 3
(1961年度(昭和36年度)大阪府警メンバー)

イメージ 4
(1962年度(昭和37年度)大阪府警メンバー)
 
圧巻だったのは1964年度(昭和39年度)の関西社会人Aリーグ。過去6シーズン、全試合に勝利して無敗・無引分で6連覇を飾り、このシーズンも負けていなかった王者近鉄に引き分けたことです。史上初めて関西社会人リーグで近鉄が勝てなかったのが大阪府警でした。府警は前半10分に近鉄陣25ヤード左で得たPGを成功させて先制。近鉄も3分後にPGで同点に追いつき、その後はこう着状態に。後半15分に近鉄が府警インゴールに蹴り込んだゴロパンを押さえてこの試合初めてのトライで近鉄がリードします。しかしその後府警が攻勢、近鉄ゴール前左中間でPGを得てキック成功して再び同点に。近鉄は府警FWの粘りでボールが取れず反則が多く、初めての引分けを経験しました
 
1964(S39)-11-22関西社会人リーグ △6-6(3-3,3-3)近鉄(花園)
府警メンバー:FW藤原、森田、木下、 春日、橋口、 樋口、鎌田、酒井、HB宮内、岩井、TB中尾、岸、友岡、瀬尾、FB杉野
 
しかし昭和40年代は1965年度(昭和40年度)に京都市役所と同率ながら2位(準優勝)となって以降、トヨタ自工・三菱自工京都などの台頭により関西リーグでも中位や下位に低迷、全国大会でも1~2回戦止まり、更には中部自衛隊栗田工業に大阪の出場権を奪われたりもしてゆきました。
 
それでも1967年度(昭和42年度)は4位ながらも上位のトヨタに19-14で勝利、1971年度(昭和46年度)も5位ながら準優勝のトヨタを15-10で破り、1973年度(昭和48年度)も5位ながら3位のトヨタと11-11で引き分け、1974年度(昭和49年度)は最下位(7位)ながら4位の京都市役所を40-20のダブルスコアで破る健闘を見せています。苦しい時期でも「大物食い」が健在でした。
 
1967(S42)-11-05関西社会人リーグ ○19-14(8-8,11-6)トヨタ自工(名古屋)
府警メンバー:FW大場(近大)、木下高(興国高)、安藤(出水高)、藤井(洛北高)、橋口(富島高)、樋口(関大)、若尾(興国高)、山口(天理高)、HB花折(興国高)、八柳(天理高)、TB千田(関大)、田川(大経大)、堤(関大)、中尾(興国高)、FB伊賀(大嶺高)
 
1971(S46)-09-26関西社会人リーグ ○15-10(12-0,3-10)トヨタ自工(西京極)
府警メンバー:FW松原(富島高)、甲斐(大経大)、石田(天理大)、藤井(洛北高)、秋吉(碩南高)、都留(高鍋高)、若尾(興国高)、山口(天理高)、HB花折(興国高)、中尾(興国高)、TB竹本(上宮高)、田川(大経大)、富永(興国高)、竹内(法大)、FB伊賀(大嶺高)。
 
1973(S48)-09-30関西社会人リーグ △11-11(8-0,3-11)トヨタ自工(花園)
府警メンバー:FW辻野(興国高)、上西(吉野工高)、松原(富島高)、秋吉(碩南高)、石川(中京大)、都留(高鍋高)、香西(村野工高)、山口(天理高)、HB森岡(美弥高)、吉岡(法大)、TB竹本(上宮高)、桜木(中京大)、富永(興国高)、加地(新居浜工高)、FB西田(吹田高)。
 
1974(S48)-12-15関西社会人リーグ ○40-20(14-10,26-10)京都市役所(西京極)
府警メンバー:FW奥園(伊佐農林)、上西(吉野高)、大塚(竜谷大)、秋吉(碩南高)、四谷(関大)、石川(中京大)、坂本(関大)、山口(天理高)、HB森岡(美弥高)、吉岡(法大)、TB竹本(上宮高)、桜木(中京大)、富永(興国高)、加地(新居浜工高)、FB西田(吹田高)。
 
更に1975(昭和50)年度は関西リーグでは4位ながら第28回全国大会に出場し、1回戦で50-3で新日鉄室蘭を破り、2回戦では29-14で強豪トヨタ自工を破り準決勝に進出、残念ながら9-25で三菱自工京都に破れましたが、3回目のベスト4入りを達成しました。
 
1976(S51)-01-02第28回全国社会人大会1回戦 ○50-3(24-0,26-3)新日鉄室蘭(花園)
府警メンバー:FW奥園(伊佐農林)、上西(吉野高)、大塚(竜谷大)、秋吉(碩南高)、四谷(関大)、奥(関大)、坂本(関大)、山口(天理高)、HB森岡(美弥高)、吉岡(法大)、TB都留(高鍋高)、桜木(中京大)、富永(興国高)、西村(西京商高)、FB竹本(上宮高)。
 
1976(S51)-01-04第28回全国社会人大会2回戦 ○29-14(12-7,17-7)トヨタ自工(花園)
府警メンバー:FW奥園(伊佐農林)、上西(吉野高)、大塚(竜谷大)、秋吉(碩南高)、四谷(関大)、奥(関大)、坂本(関大)、山口(天理高)、HB森岡(美弥高)、吉岡(法大)、TB都留(高鍋高)、桜木(中京大)、富永(興国高)、西村(西京商高)、FB竹本(上宮高)。
 
1976(S51)-01-06第28回全国社会人大会準決勝 ●9-25(3-11,6-14)三菱自工京都(花園)
府警メンバー:FW奥園(伊佐農林)、上西(吉野高)、大塚(竜谷大)、秋吉(碩南高)、四谷(関大)、奥(関大)、坂本(関大)、山口(天理高)、HB森岡(美弥高)、吉岡(法大)、TB都留(高鍋高)、桜木(中京大)、富永(興国高)、西村(西京商高)、FB竹本(上宮高)。交代:奥→田中(中京大)。
 
イメージ 1