次に大阪府警が脚光を浴びるのは1979年度(昭和54年度)の関西社会人Ａリーグでの単独準優勝と、1982年度(昭和57年度)と1983年度(昭和58年度)の２連覇です。
シーズン初戦となった神戸製鋼戦。前年の準優勝チームであり、同大・法大・慶大・中大・早大・明大など東西の強豪大学出身者や外人助っ人の居る神戸製鋼に対して、府警は大卒といえども関西・関東の中位～下位や東海地区の大学出身者と、高校出身者でもそんなに全国高校大会で有名でない高校出身者で構成されていました。
試合は前半2PGを許して3-6とリードされるものの、後半府警が３トライを挙げ、さらに神戸製鋼を前後半含めノートライに抑えて16-6で快勝しました。
■1982(S57)-09-26関西社会人リーグ ○16-6(3-6,13-0)神戸製鋼（神戸中央）
府警メンバー：ＦＷ奥園(伊佐農林高)、森(関大)、毎川(名城大)、常深(関大)、平井(大商大)、笠松(大商大)、奥(関大)、大塚(竜谷大)、ＨＢ川口(関大)、長屋(中京大)、ＴＢ水崎(日大)、西村正(布施工高)、西村龍(西京商高)、磯辺清(大東大)、ＦＢ神尾(中京大)。
第２戦は上記の通り結果的に同率優勝となるトヨタを相手に、前半リードを許すものの後半一気に引き離して21-9で逆転勝ちしました。
■1982(S57)-10-17関西社会人リーグ ○21-9(6-9,15-0)トヨタ自動車（花園）
府警メンバー：ＦＷ奥園(伊佐農林高)、森(関大)、毎川(名城大)、常深(関大)、平井(大商大)、笠松(大商大)、奥(関大)、田中(中京大)、ＨＢ磯辺弘(大経大)、長屋(中京大)、ＴＢ水崎(日大)、西村正(布施工高)、西村龍(西京商高)、足立(中京大)、ＦＢ神尾(中京大)。交代：奥園→大塚(竜谷大)。
続く滋賀県庁・本田技研・近鉄・京都市役所をも連破して６戦全勝で最終戦を待たずして初優勝が決定。更に単独優勝と全勝優勝を掛けた三菱自工京都との最終戦でしたが、三菱の出足良く前半から４トライを許してしまい前半を0-17で折り返し、後半は反撃に出るも１トライしか奪えず4-17で黒星を喫し単独＆全勝優勝を逃しました。
しかし強豪ひしめく関西社会人リーグ創設２５年目にして初優勝の快挙でした。
翌年1983年度(昭和58年度)のシーズンでは序盤で、前年のリベンジに燃える神戸製鋼に13-35で破れましたが、続くトヨタには16-7で競り勝ちました。以後、本田・大阪教員も連破して１敗で、11月20日の第6戦で同じ１敗の近鉄と対戦。前半はトライ数1-2でしたがＰＧを３本決め15-10でハーフタイム。後半は逆に近鉄にＰＧ３本を許すも３トライを挙げ、近鉄を２トライに抑えて、合計33-29で勝ちました。
■1983(S58)-10-23関西社会人リーグ ○16-7(10-3,6-4)トヨタ自動車（花園）
府警メンバー：ＦＷ奥園(伊佐農林高)、森(関大)、毎川(名城大)、河野(都城高)、平井(大商大)、笠松(大商大)、田中(中京大)、大塚(竜谷大)、ＨＢ磯辺弘(大経大)、長屋(中京大)、ＴＢ水崎(日大)、西村正(布施工高)、西村龍(西京商高)、足立(中京大)、ＦＢ神尾伸(中京大)。
■1983(S58)-11-20関西社会人リーグ ○33-29(15-10,18-19)近鉄（花園）
府警メンバー：ＦＷ奥園(伊佐農林高)、森(関大)、大塚(竜谷大)、河野(都城高)、平井(大商大)、笠松(大商大)、山本(関大)、田中(中京大)、ＨＢ磯辺弘(大経大)、長屋(中京大)、ＴＢ足立(中京大)、西村正(布施工高)、西村龍(西京商高)、中村(久留米工専)、ＦＢ神尾伸(中京大)。
12月4日は府警は試合がありませんでしたが、神戸中央球技場でトヨタと神戸製鋼が対戦し、トヨタが前年と同じように快勝（27-9）。これで府警・神鋼・トヨタが１敗で並び、また同日三菱を破った近鉄が２敗で続きました。
最終節の12月11日は花園で大阪府警vs三菱自工京都、トヨタvs近鉄、服部競技場で神戸製鋼vs本田技研、京都市役所vs大阪教員が一斉に行われました。大阪府警は14-9で三菱自工京都を、トヨタは18-6で近鉄を、神戸製鋼は24-4で本田技研を、それぞれ破り３チームが１敗で同率優勝となりました。
大阪府警としては２連覇を達成。ラグビーブームで沸く1980年代に仕事面でも優遇され有力大卒選手や外人を補強する社会人チームが続々と出てくる中、警察官（機動隊）という激務をこなしながら府警ラグビーの歴史に大きな金字塔を打ち立てました。
